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日本酒の原料について

日本酒の原料は米?作業の序盤で使われる米の役割とは?

 

日本酒に使用されている原料は米です。焼酎の場合、芋、麦、黒糖、わかめ、牛乳など、製造方法の違いはあれど、基本的に「デンプン」を有するものであれば、特に原料が限定されているわけではありません。

 

しかしながら、日本酒に関しては米以外ではつくることができず、酒税法の観点から見ても米を使用しない場合は日本酒として酒を売り出すことができません。

 

今回、ここでは日本酒に欠かすことができない米が、日本酒づくりの序盤では、どのような働きをしているのかを紹介していきます。日本酒の基本ですので、ぜひ覚えておきましょう。

 

●日本酒用の米がある

 

日本酒の原料には米が使用されていますが、私たちが普段、食卓で食べているような米ではなく、酒造好適米という日本酒用の米が使用されています。

 

山田錦であったり、美山錦、雄町といったようなブランド米が一般的に使用されており、これらはアルコール発酵に重要な醪を作りやすいため、日本酒づくりに愛用されています。

 

もちろん、ササニシキやコシヒカリなどで作る日本酒もありますが、ややどっしりとした、日常酒といったテイストに仕上がるようです。まず、日本酒の場合はそれ用に使われている米があることを理解しておきましょう。

 

●玄米からスタート

 

さて、酒造好適米は玄米から仕込みが始まります。玄米をそのまま使ってしまうと、表層部に多く含まれているタンパク質や脂肪が雑味の原因となってしまうため、精米という作業が行われます。実は、ここで精米する歩合によって、大吟醸や吟醸、普通酒などが決まっていきます。

 

外側部分にはタンパク質などが多いため、雑味の原因となってしまうとお伝えしましたが、そうなると削れば削るだけクリーンな味わいへと変わります。

 

削りすぎることも旨味が無く、スッキリとしただけの日本酒となるので難しいのですが、この精米歩合が多いほどに高級酒とされる傾向にあります。当然、削ってしまえば米量は減ってしまうため、その分の米を多くしようしなければなりません。

 

純米大吟醸などが高級酒として、ほかの名称に比べて高い理由は実はこの部分にあるのです。精米は、日本酒の味わいの基本、骨格を決める、大切な作業であると覚えておきましょう。

 

●白米

 

精米した米は、周囲についている汚れなどをキレイに洗い流すために、一度洗米されます。しかし、できるだけ傷つけないために、高級酒の場合はしっかりと手作業で行われるのが一般的となっています。

 

洗米された米は、次に浸漬という作業が行われます。米を蒸す作業がこの後に行われるのですが、その蒸米がムラにならないように、しっかりと米一粒、一粒に水がしみわたるようにこの作業が行われます。

 

もちろん、ただ水に浸けていれば良いだけではなく、精米歩合、米の種類によっても変わってくるので、案外神経を使う大切な作業となっています。

 

●蒸し米

 

日本酒で大切な米の状態としては、外を硬く、内が軟らな風合いとなるように仕上げられます。この蒸し米は、非常に強い蒸気で一気に酒造好適米が蒸されます。この時、前述した浸ける作業が曖昧だった場合に、きれいに均一に蒸し上がらないのです。こういった、作業が行われているのが、日本酒の特徴となります。

 

●米は大切な存在

 

日本酒は米を使う分、複雑な作業ここまできた蒸し米をシンプルにアルコール発酵に使うのではなく、ここから3つの段階に分けられ、最終的にアルコール発酵という作業へと続きます。麹造り、酒母造り、もろみの仕込みといった感じで、まだまだ日本酒の工程の序盤なのです。

 

これは、米だからこそなし得る工程であり、他のお酒ではなかなか見ない作業です。ぜひ、日本酒にとって米がどれだけ大切かを知り、より美味しく日本酒を楽しんでみてはいかがでしょうか。